高齢者の『片づけられない』と『捨てられない』が、実家をゴミ屋敷にしてしまうかも
住居をゴミ屋敷にしてしまう理由がいろいろありますが、精神疾患により片づけられないという理由が一般的です。
例えば、
強迫性ホーディング:居住空間に大量の物品を収集することを止められなくなる行動パターン 。
うつ:抗うつ状態から興味や意欲が低下し、家の中のことに関心がなくなり整理や掃除をする意思がなくなる。
セルフネグレクト:日常生活を維持するための意欲がなくなってしまう。
等々。
ゴミ屋敷になる原因は、精神疾患加えて、
高齢者の 『片づけられない』 『捨てられない』 が原因になる場合も多いようです。
『片づけられない』『捨てられない』実家に帰るたびにモノが増えてきたなと感じたことはありませんか?
『片づけられない』 『捨てられない』
高齢者となるにつれて、その傾向が強くなるようです。
それは期限切れの食品であったり、
ポケットティッシュがたくさんあったり、
うちわとか、スーパーの袋とか、弁当の箸とか。
原因のひとつは、歳とともに顔をだす横着。
もうひとつは、いつか使うかもしれないという気持ち。
足腰など身体の衰え、
動くのがめんどう、
ゴミの分別がややこしい・・・
ゴミの分別というと、
ペットボトルや缶や瓶はわかるけど、
例えばビデオテープ、CD-ROMとか。
これは不燃物でだしていいの?
どこで確認すればいいの?
いちいち電話して尋ねるのはめんどくさいし、
だいたいどこに電話すればいいのだろう?
なんて考えているうちにどうでもよくなっちゃいますよね。
そう、片づけられないでどうでもよくなっちゃうと、段々とゴミ屋敷化してしまいます。
まだ使えると思っているものがゴミになっているなんて、なんとも悲しいはなしです。
『もったいない』が『捨てられない』に。いつになったら再利用?
高齢の方だけではないのですが、『もったいない』から『再利用できるから』という思いが、
結局は『片づけられず』、『捨てられない』につながるケースも多いです。
実際、かつて私が実家に帰ったときにシャツを廃棄したら、
いつのまにか取り出されて雑巾になっていたりとか。
捨てたはずの団扇(ほとんど骨むき出し状態)がなぜかテーブルの上にあったりとか。
ちなみにその団扇、ボロボロだったのですが、母が好きだった絵柄だったとのことを兄弟から聞いて、悪いことをしたなと思ったものでした。
高齢者、戦中や戦後世代の方は、ものを大事にする意識がとても高いです。
もったいない、
また使う機会があるかも、
そういう気持ち。
捨てることに対する罪悪感から『片づけられない』
ここ数年でよく聞くようになった『断捨離』とは対極。
まだまだ使えるのにって思ってしまうかもしれません。
でも、そうやって再利用しようと思って保存していた洗った割りばしとかが、引出しに何年も眠っているかもしれません。
その割りばしがどこに何膳あるかは覚えていないものです。
『もったいない』『捨てられない』 しかし、どこに置いたっけ?
掃除をするのがおっくうになり、さらに捨てることに罪悪感がある、
これではモノがどんどん増えるでしょう。
そして、普段使わないモノをどこにしまったか忘れてしまうのは、高齢者でなくともよくあることです。
使わないとそのモノへの意識があっという間に薄くなりますから。
では、頻繁に使うものは?
生活に使うものは手の届く近くに置きます。
下手に掃除して場所を移動すると、今度は探すのに一苦労。
「どこに置いたっけ?」
これでは整理したい気持ちもなくなります。
整理したらどこになにがあるか、また覚えるのも大変になります。
そして、整理も掃除もしないうちに、モノが乱れていき、ゴミ屋敷になっていきます。
もしもこっそり実家のモノ・ゴミを少しでも減らしたいのなら、
高齢のご両親の居住空間から一番離れた部屋にあるものから手をつけるのがよいです。
思い入れのないものほど遠くに置くものですから。
それと、たとえばスーパーの割りばしとか、使っていないストローとか、キッチンの引出しにはいろいろ入っているかもしれません。
もう使えないということにして承諾を得てから処分するのがいいかと思います。
『もったいない』『捨てられない』を無理に処分すると喧嘩にも
そうなんです。強引はいけません。
消耗品とか古い食品とかは、おそらく高齢のご本人もあることを忘れてしまっている場合があります。
「これもう古いよ」とか、「賞味期限が切れているよ」とか、ひと声かけて処分するのがいいでしょう。
問題は思い出の品々。
これらは決してゴミではないのでまとめたいのですが、整理しにくく量もあります。
思い出の品々は勝手に処分してはいけません。
それらのものを捨てられないのはご本人にしかわからない大事な理由があるのです。
断捨離のように、思い出の服を1年着なかったらスパッと処分!
なんて心境になれない人にとって、それはとても残酷です。
モノがあることが豊かだった時代、
なにもない空間はさみしかったり不安だったりするかも知れません。
それと、人生の一部であるモノもあります。
例えば、本。
大好きな本があったとします。
繰り返し読んだ小説、好きな記事が掲載されていた雑誌。
ここ数年読んでないけど、いつか忘れた頃にまた読みたくなるかも。
本人は捨てられません。
それに、もう手に入らないかもしれないという思いもあります。
家具とかひな人形とか、着物とかも。
化粧品関係から食器にいたるまで。
本人にとってのお宝がなにかはわかりません。
古いアルバムにしても、古い手紙にしても。
電子化された今の時代よりも、ひと世代前のモノのほうが、捨てるには忍びないものがいっぱいあるように思います。
持ち物はその人の歴史であり、人生の一部であるとすると、
簡単に捨ててなんて言われたくなんかない。
抵抗を感じることでしょう。
ゴミ屋敷にしないために。未整理のまま遺品となってしまったら悩むものとは?
もしも、悲しいことにご実家のモノがたくさん残ったまますべて遺品になってしまったら。
押入れや棚の中の引き出物類とかは、リサイクル業者が回収してくれます。
しかし、価値のあるものでない限りは査定はほとんどつかないとみて間違いありません。
消耗品や不用品などは、まとめて処分しましょう。
さて、こういうときに一番悩むもの、それは、
亡くなった方が大事にしていた思い出の品々です。
写真、アルバム、服、人形、ぬいぐるみ、
その他、愛用していたものなどは、なかなか処分する気になれないことでしょう。
お葬式のときに棺に一緒にいれるには限界があります。
なにせ、そういうものはけっこう量が多くスペースをとっているものですから。
他の物の整理はあらかた終わっても、そういう捨てずらいものが最後まで残ってしまうのはよくあるケースです。
だって、できますか?
故人がかわいがっていた人形類を無造作にポリ袋に入れる、
故人の思い出の写真や旅先での絵葉書とかを、破いたりまるめたりしてポリ袋に突っ込む、
子どもや孫からもらったお土産、愛用していた食器、急須、カップ、まとめてポリ袋に詰め込み、
そして不燃物の日に出しに行く・・・・。
なかなかやれないことですよね。
ちょっと気がすすみません。
そういう品々については、第三者にお願いしてしまうのが楽です。
第三者といっても、乱暴にに扱って処分するような第三者ではいやですよね。
そこは、大事に取り扱ってくれる業者が存在していますので、いろいろと調べてみるのがいいかもしれません。
たとえば、下記の業者でしたら、
人形やぬいぐるみは、きちんとお焚き上げの供養をしてくれるので安心。
その他、処分しないものは丁寧に整理。
そのようなサービスをするところであれば、遺品になる前の生前、
つまり、生前整理にも使えるかもしれません。
驚くことに、生前整理は高齢者ご本人からの依頼もよくあるとのこと。
いろいろなサービスがあるんだなと関心しましたね。
最後に、高齢のご両親が住んでいる家の掃除をするときに、発してはいけない言葉があるサイトに出ていました。
「古すぎる」 「センスが悪い」 「モノを残されて困るのは私」
「こんなモノ、もう捨てて」 「どうせ使わない」 「いくつもあってどうするの」
とのことです。
なるほど。
高齢のご両親の住んでいる家をゴミ屋敷にしないために。
コミュニケーションを大事にして、ゆっくりとモノを減らしていきましょう。
ハウスクリーニングについては、お気軽にお問い合わせください。